「資産運用」と聞くと、株式や投資信託、不動産投資といった専門的で難しそうなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
確かに投資は資産形成において重要な選択肢の一つですが、その前に欠かせないのが「日々のお金の管理」です。
たとえば毎月赤字続きの家計で、無理に投資を始めてもすぐに資金が尽きてしまいます。逆に、きちんとお金の流れを管理して余裕資金を作ることができれば、安心して将来のための準備ができます。
この記事では、「資産形成を始めたいけれど、何から手をつけていいかわからない」という初心者の方向けに、家計管理から資産形成につなげる基本ステップをわかりやすくご紹介します。
ステップ1:収支を「見える化」する
まずは「お金がどこに消えているのか」を把握することから始めましょう。
人によっては「大体このくらいの支出かな」と感覚で把握している方もいますが、実際に数字で見てみると想像以上に無駄遣いが多いケースがほとんどです。
おすすめは、家計簿アプリやエクセルを活用して1か月の収支を記録することです。特に最近の家計簿アプリは、銀行口座やクレジットカードと連携できるため、自動で出費を分類してくれる機能があり、とても便利です。
支出は「固定費(家賃・通信費・保険料など毎月変わらない費用)」と「変動費(食費・娯楽費・交際費など月ごとに変わる費用)」に分けて管理すると、無駄が見つけやすくなります。
ステップ2:固定費を優先的に見直す
収支の全体像が見えたら、まず取り組みたいのが「固定費の削減」です。
なぜなら固定費は一度見直せば、その効果が毎月自動的に積み重なっていくからです。
具体的には、次のような点をチェックすると効果的です。
- 通信費:格安SIMやWi-Fiプランの見直しで数千円単位の削減が可能
- 保険:重複している保障や不要な特約がないか確認
- サブスク:実際に使っていないサービスを解約
例えば、毎月の通信費を1万円から5000円に抑えられれば、年間で6万円もの節約になります。固定費を見直すだけで、資産形成のための「タネ銭」がぐっと増えます。
ステップ3:先取り貯金の仕組み化
支出を抑えられるようになったら、次は「貯金の仕組み」を整えましょう。
多くの人は「余ったら貯金しよう」と考えますが、それではなかなか貯まりません。そこでおすすめなのが「先取り貯金」です。
給料が振り込まれたら、まず一定額を自動的に貯金用口座へ移す仕組みをつくるのです。残りのお金で生活することで、自然とお金が貯まるようになります。
銀行の自動振替サービスを利用するのもよいですし、給与振込口座を2つに分ける方法もあります。重要なのは「貯金を後回しにしない」ということです。
ステップ4:目的別にお金を分ける
「お金を全部ひとまとめにして貯める」のではなく、用途ごとに管理することもおすすめです。
たとえば、次のように分けてみましょう。
- 生活費用
- 教育費用
- 旅行や趣味のための費用
- 将来のための貯蓄
このように目的別に分けておくと、「せっかくの貯金をつい使ってしまった」という失敗を防げます。複数口座を使い分けるのも1つの方法ですが、住信SBI銀行であれば「目的別口座」で分けることができます。また、電子マネーやプリペイドカードで予算を分けたりする方法も有効です。
ステップ5:小さく始める「資産形成」
家計管理ができるようになったら、次は少しずつ資産形成に挑戦してみましょう。
とはいえ、いきなり大きな投資を始める必要はありません。最初はリスクの低い方法から取り入れるのが安心です。
たとえば、
- 積立貯金で毎月一定額をコツコツ貯める
- クレジットカードのポイントを投資に回す
- 少額からできるサービスを使って体験してみる
このように「小さく始める」ことで、投資や資産形成の習慣を身につけることができます。大切なのは「大きな成果を狙う」ことではなく「続けること」です。
まとめ
資産形成というと難しく感じますが、実際には日常の家計管理がその第一歩です。
- 収支を「見える化」する
- 固定費を見直す
- 先取り貯金を仕組み化する
- 目的別にお金を分ける
- 小さく資産形成を始める
この流れを意識すれば、誰でも無理なくお金を増やす仕組みを作れます。特別な人だけのものではなく、日々の習慣から少しずつ積み上げていくことが、将来の安心につながります。
本記事は一般的なお金の管理に関する情報であり、特定の金融商品や投資手法を推奨するものではありません。実際の資産形成や運用にあたっては、ご自身の判断と責任で行ってください。
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